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大学時代、彼とは二度破局した。就職後、5年ぶりに再会し、やっぱりいいなと惹かれ合う。「三度目の正直だ」と言い合って、私たちは結ばれた。あれから3年。平日に休みをあわせて外出する。今度こそ幸せになろうね。そう笑うと「お前もな」と彼が微笑む。行先は市役所だ。今日、私たちは他人に戻る。
高校の中間テストでしくじった。来週からは期末がスタートする。またお前の家で対策しようと提案し、彼女に「絶対駄目」と拒まれる。「お互いキスしちゃって勉強にならなかったでしょ」。そうだけど……。交際して初めての夏休みが来る。毎日会えないぐらいなら、2人で夏季補講でもいいんだけれども。
息子の部屋を掃除する。ベッドの下からHな雑誌が見つかった。早くに夫を亡くして以来、夢中で育児と仕事をしてきた。イケナイ奴めと溜息ついて、ふと気づく。夫とつきあい出したの、息子と同じ17歳だ。もう親から離れていく年齢なんだね。私は雑誌を元に戻す。イケナイの、子離れできない私のほうだ。
高3の春、彼に振られた。「受験」と理由を言われたけれど、彼はその後、学年一の美少女と交際した。屈託なく、綺麗な彼女は誰からも好意を向けられる。浪人中、バイト代をはたき、私は顔を整形した。大学に進学後、多くの男子に告白される。でも胸の空虚は広がるばかり。誰も私の中身を見てくれない。
彼女が水着を買いに行く。つきあおうか? 「いいよ。どうせ無駄だから」と笑われた。大学から交際を始めてもう5年。自分にファッションセンスがないのは自覚している。とはいえ無駄とはハッキリ言うもんだ。「無駄だよ」。上目遣いで彼女が囁く。「あなたが見たいの、私が水着を脱いでからでしょ?」
幼なじみとつき合った。ともに失恋したばかり。傷をなめ合うようだし、お互い欲情できるかな。そう訊くと、荒っぽく唇を奪われた。「俺、恋人にはオラオラ系」。私は黙って彼の胸に顔をうずめる。17年いて初めて聞いたよ。あんたが自分を「俺」って言うの。おかしくて、けれども結構、ドキドキものだ。
3年続いた彼女と別れた。なぜか彼女はよく泣いて、気詰まりした僕から別れを切り出した。想いと一緒に部屋を片付けてると、褪せた写真が見つかった。高校時代はともに写真部。最初に海を訪ねた時の一枚だ。忘れてたよ。あの頃、君はこんなふうに笑ってた。泣き顔に変えたのは、僕の責任だったんだね。
疫病で地球が滅ぶ。元老院は別の地球への移住を決めた。先帝が急逝し、私は17歳で帝位に就く。臣民を守るため。そう言い聞かせ、自ら敵陣に潜入する。緒戦は優勢。無数の骸に慣れた頃、彼と出会う。同い年の敵の戦士。やっぱり私は女帝や間諜には向いてない。敵の機密を握り潰す。私は恋に落ちていた。
「泣いていいか」と高校帰りの彼が言う。そうか、彼女の答えはNOだったんだね。けしかけた私にも責任ある。いいよ、泣きなよ。ハグされながら昔のようにぽんぽんと頭を叩く。「お前まで泣くことないだろ」。ううん、泣くよ。好きな人に想いが届かないって、辛いよね。その気持ち、誰よりもわかるから。