//=time() ?>
Twitterで同じ17歳の彼に会う。励ましあって投稿し、ともに絵描きを目指す。先にバズった1枚は、彼への想いを描いたものだ。フォロワー数は増えたけど、才能では彼が勝る。ある日他人の投稿で、彼がバズったことを知る。気づかぬうちにミュートされていた。彼の絵は、少年が少女に別れを告げている。
彼女とはTwitterで知り合った。僕と同じ17歳、夢も同じイラストレーター。お互い励ましあって投稿する。やがて彼女の絵はバズり、フォロワーも万を超えた。対する僕は三桁だ。「私は好きよ、あなたの絵」。文字を素直に読めなくなる。最後に1枚、嫉妬と恋慕を託した絵を投稿し、彼女をミュートする。
缶ビールに宅配ピザ。洋画を借りて家でのんびり休みを過ごす。大学から8年続いた彼女と別れた。お互い仕事が忙しく、すれ違いが続いてた。映画は期待外れだった。つまらねえなとの呟きに、そうかなと反論する声のない解放感。これが望んだものなのだろうか。3缶目のタブを引き、苦いビールを流し込む。
らしくないのは重々承知だ。高3の体育祭。応援団長に手を挙げた。片思いの彼はリレーのメンバー。不器用な私には、ほかに全力で応援する術が見つけられない。もう一つ、理由がある。我が校の団長は学ランが伝統だ。貸してほしいと彼に頼もう。返却時が最後のチャンス。秘めた言葉のバトンを渡すんだ。
求婚に頷いた1週間後、重い病気が見つかった。「紫陽花の花言葉みたいに移り気なのよ」。軽薄を装って、私は彼に別れを告げる。本当は6月の花嫁になりたかった。でも多分、私は1年も生きられない。薄れかけた意識の中で、彼の笑顔を思い出す。知らないよね、紫陽花のもう一つの花言葉。「強い愛」。
放課後の昇降口。傘を忘れた先輩が、梅雨の空を見上げている。高校で一目ぼれしてもう1年。距離は縮まないけど、先輩の好きな人には気がつきました。優しい笑顔で拒まれるのを覚悟して、それでも先に傘を差しだす。雨の向こうに折り畳み傘を握りしめたあの人が見える。羨ましいな、同学年の幼なじみ。
彼の態度が煮え切らない。中学からもう3年、友だちの半歩だけ先の関係だ。そろそろ高校最後の夏が来る。このままじゃ変わらない。覚悟を決め、私は彼を誘い出す。洋服店で試着したノースリーブ。「露出多めだろ。誘惑してると勘違いされるぞ」。勇気を奮って私は答える。うん、そのつもりなんだけど。
彼女の片思いを知っている。彼が彼女に気のないことも。高校で同級生になって1年半。親友と思ってくれてる彼女から、何度も話を聞かされた。頑張って。ずるい私は繰り返す。その日、彼女は想いを伝え、彼に拒まれ泣いていた。私は彼女を抱き締める。ごめんね。これから心が弱ったあなたに告白します。