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私と親友、そして彼。高校時代、私たちはいつも一緒だった。嘘が苦手な2人といるのは落ち着けた。卒業直前、親友は事故死する。あれから10年。明日は私たちの結婚式だ。あの頃どっちが好きだったの、と私は訊く。「ずっと君」。3人の写真を眺め、彼が笑顔で泣いている。やっぱりあなたは嘘が下手だ。
友だちから彼氏を奪った。大学の帰り道、バーに誘ってしなだれかかり、その日のうちに彼に抱かれる。甘い台詞を囁かれ、今夜も深く愛された。私の想いは急速に冷めていく。また友だちを失った。彼女は彼のどこが好きだったのだろう。「誰かのもの」ではない他者を、私は愛することができるのだろうか。
カフェで幼なじみに彼女を紹介された。そばにいて当たり前。そう過信して、淡い好意を伝えることを怠った。おめでとう、と私は道化る。彼がトイレに立った時、「泣きそうだね」と可愛い笑顔を向けられた。黙り込む私に彼女は囁く。「恋人役を頼まれたんだ。彼、そばに気持ちを知りたいコがいるみたい」
失恋した同級生を慰めたのがきっかけだった。半月前、私と彼はつきあい始める。まだ手を握るだけ。元カノとしたファーストキスを覚えているか尋ねると「忘れたよ。君はどう?」と問い返された。内緒だけど、私は全部が初めてなんだ。忘れたのなら上書きさせてね。私はそっと背伸びして、彼に口づける。
「元カノとしたファーストキスを覚えてる?」。彼女が尋ねる。交際半月。まだ手を握るだけだ。元カノに失恋し、慰めてくれたのがきっかけだった。忘れたよ、モテそうだけど君はどう? その時、ふいにキスされた。「そっか」。彼女は微笑み囁いた。えっと……何がわかったの? 「最初のキスの感じ方」
日曜日、ブレザーとミニスカートの制服を着て街に出る。夜までに10人の男に呼び止められた。帰宅して、私は深く絶望する。結局、JKという記号が男たちを欲情させていたんだね。明日から再び、孤独で憂鬱な学校生活が再開する。卒業からまだ1か月。故郷を離れ、女子大生になった私の中身は、空っぽだ。
「そろそろ慣れた?」。昼休み、同じ課の五つ上の先輩に声をかけられた。入社半月。毎日ハラハラしています。「俺も新人の時は同じだったよ」と笑われた。先輩は能力高いし、きっと違うと思います。私がハラハラしている理由、仕事に不慣れな以上に、笑顔が素敵な年上の人が隣の席にいるからなんです。
昨年の夏休み、叔父が営む民宿でバイトした。一人旅の彼女はお客さん。同じ大学生と偽って、手ほどきされて男になる。一夏の恋だから。そう笑って彼女は消えた。高3の春。再会した彼女はきまり悪そうだ。大丈夫。今度は勉強教わります。産休の副担任の替わりとして、新卒の彼女は1年間だけ僕の先生。
「テナーサックス?」。吹奏楽部の新入生説明会。希望の楽器を伝えると、先輩が意外そうな顔をした。「経験あるの? 体力いるぞ」。昨年秋、志望校の下見を兼ねて文化祭を見学した。テナーのソロを奏でる先輩に一目ぼれ。猛勉強して合格した。先輩、いろいろ教えて下さい。楽器も恋も初心者なんです。
「ラノベに漫画ですか」。僕の部屋を見回して、彼女がため息ついた。幼なじみの同級生。本を貸してほしいと久々に家にやってきた。悪かったな、中二病をこじらせて。「あと1年で高校受験だよ」。いいじゃん、別に誰にも迷惑かけてないし。「高校は学区なし。同じ学校に受かってくれなきゃ、私が困る」