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高校の同級生に告白した。「……私に拒まれるかもしれないこと、怖くないの?」。黙って失恋する方が、ずっと怖い、と返事する。「だよね……。よろしくお願いします」。俯いて彼女は応じた。本当は怖かった。だから密かに見つめてた。知ってるよ。片想いの先輩に失恋したこと。直後の女子が脆いこと。
高校の先輩に彼女ができた。振られるかもしれないことに怯えた私は、そばにいながら告れなかった。「俺じゃ駄目か?」。思いがけず、同級生に打ち明けられる。ねえ何で? 拒まれ悔やみ深く傷つく――そんな未来の可能性に怯えないの? 彼は俯き囁いた。「言わずに失恋する方が、ずっと怖いし後悔する」
高校の夏休みの宿題見せて、と幼なじみに頭を下げる。「代わりにお前の貧乳見せろ」とあしらわれた。作り笑顔で私はシャツのボタンに手をかける。「冗談だって。お前男慣れしてねえだろ?」。彼が赤い顔して焦ってる。あんただって童貞じゃん。だから女を見る目もない。私はね、案外着痩せするんだよ。
「夏休みの宿題見せて!」。幼なじみが部屋に来る。高2になっても変わらない。そういうとこだ、お前に男っ気がない理由。「んなことないよ。いいから見せて!」。じゃ、代わりにお前も見せろ。「何をよ?」。その貧乳。「えっ」。冗談だ。ほらな、やっぱり男に慣れてねえ。「……そんなんでいいの?」
辞令が出たのは娘が生まれた3年前。栄転だが長期の単身赴任になる。たまに帰宅し気がついた。妻は若い男と不倫して、娘に相手を「パパ」だと教えてる。許せない。抜き打ちで帰ろうとした俺を、2人の女が泣きながら引き留めた。「もう奥さんと別れて下さい」と元部下。「パパ行かないで」と2歳の娘。
おじさんは3か月ごとに泊まりに来る。3歳の私は寂しい。その間、パパがいなくなるからだ。2泊したおじさんが帰った夜、若いパパが戻ってくる。ふと深夜に目が覚めた。寝室から荒い息と2人の会話。「バレてないよな?」「長期単身赴任だし」「旦那だけじゃなく、娘に俺がパパじゃないってことも?」
彼女ができた。ともに最初の恋人で、距離を縮められない。意を決し、高校帰り、かき氷屋に彼女を誘う。「シロップ同じレモンにしよう? 何で?」。……最初はレモンの味っていうじゃんか。けれど彼女はイチゴを頼む。駄目なんだ、と思った瞬間、唇を不意打ちされた。「味なんて、どうでもよくない?」
高校の帰り道、彼にかき氷屋へと誘われる。お互い最初の交際相手。少し物足りないけど、まだ手を握られるまでの関係だ。「シロップどれにする?」と彼が訊く。イチゴかな、ソーダもいいな。「俺と同じレモンにしない?」。え、何で? 彼は俯き呟いた。「……このあと、初めての味が混じるの嫌なんだ」
小6の教え子が孤立している。注意力散漫で、堪え性に欠けるのだ。人の話はしっかり聞け。諦めたら終わりだぞ。担任の若い俺に懐いた彼女と、放課後に勉強しながら会話した。「先生に救われた。私も人を救える先生になりたい」と卒業式で呟かれる。教師か医者か弁護士か。頑張れ。お前なら絶対なれる。
白衣からメモを出し、病床の俺の話を書き留める。姓が違って気づけなかった。先生、俺、手遅れですよね? 「話をよく聞くことも、簡単に諦めないことも、遠い昔に教わりました」と女医が微笑む。……先生には感謝しかありません。「私こそ先生に感謝してます。また元気に小学校の教壇に立って下さい」