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「ごめん。お前は強く独りで平気だ」。彼に別れを切り出される。別の子の横恋慕には気づいてた。不安定な彼女から、死ぬとまで言われたらしい。半年後、思わぬ事故で彼は死んだ。あの時、笑って別れた理由、戻ってくると信じたからだよ。涙が溢れ、お盆の墓前にしゃがみ込む。本当の私はこんなに脆い。
角を曲がったところで足が止まる。その横顔を覚えてる。5年前、彼女から私は彼を奪い取った。そんな幸せは続かない。半年後、彼は事故で亡くなった。お盆の墓碑に花を供え、彼女が涙を流してる。ううん、泣くべきなのは私だよ。朦朧とした死に際に、彼は「好きだ」と呟いた。続けてあなたの下の名を。
水着屋さんで散々迷う。夏休み、流れるプールに誘われた。高校の先輩とつきあい始めて3か月。まだキスまでだけど、その先もちょっとだけ期待している。先輩は小さい胸でも平気かな。握り締めたワンピースを元に戻し、勇気を奮ってビキニを選ぶ。ごめんね、先輩。内緒で反応、確かめさせてもらいます。
高校の後輩とつきあい始めて最初の夏。流れるプールに遊びに行った。「ちょっと頑張りました」。微笑む彼女は可愛いビキニ。僕は内心ドキドキだ。じゃれあって、彼女が先に水からあがる。「何か飲んで休みましょう」。やめてくれ、前屈みで僕に手を伸ばすな。おさまらず、ますますプールを出られない。
「私で練習させてあげます」。高校の後輩が小悪魔みたいに笑ってる。知ってるくせに、誰に片思いしてるのか。なのに気づかぬふりで「告って下さい、練習台になりますから」。ドSめ。……好きだ。「伝わらない」。お前が好き。「少しマシ」。大好きだ! 「……私もです」。そこでデレかよ、大悪魔め。
高校の先輩がどこかの女子に恋煩い。仕方ない、一肌脱ぎます。「好き……」。練習台の私にこれじゃ、ちっとも想い、届きませんよ。「好きだ……」。ダメダメ、全然伝わりません。「好きなんだけど、お前のこと……」。まだまだです。「……わかってるんだろ、本当は」。何のことです? 届いてません。
幼なじみは高2になっても夢見がちだ。「いつか白馬に乗った王子様が迎えに来るの」。俺の中二病も治らねえけど、お前の少女漫画脳だって相当だ。「いいの。そんな恋がしたいのよ」。俺はホームセンターに自転車を走らせる。馬は無理だが、この愛車で迎えに行くぜ。店員さん、白いペンキはどこですか?
「全人類の1%は宇宙人」。始まった。幼なじみの中二病だ。「世界は秘密結社が支配してる」。はいはい。お互いもう17歳。成長してね。「ところで機密情報を耳にした」。今度は何? 「俺に片想いの女の子が、どうやら身近にいるらしい」。……その情報源は一体どこよ? 「極秘だぞ。お前の姉ちゃん」
退路を塞ぎ告白した。後輩の回答は「ごめんなさい」。直前に、同級生の元カノと笑顔で別れた。向こうにも気になる人ができたらしい。「振られたの?」。振り向くと、元カノが笑ってる。お前は上手くいったんだ。「よく考えて諦めた」。告白を? 「……それからね、あなたのキスを諦めることも諦めた」
お互いに好きな人ができてしまった。最後にキスして別れたい、と私はねだる。終えた後、「上手くいくといいな」と彼が笑った。高1でつきあって2年間。優しい笑顔も唇も、変わらない。別の誰かに惹かれつつ、あなたにも想いが残る。身勝手だけど、まだ私には言えないよ。「上手くいくといいね」って。