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元彼が駆けこんできて面食らう。高校近くの橋の下。彼も傘を忘れたらしい。私には触れる勇気もないくせに、グラビアにうつつを抜かしているのに辟易した。ヘタレが直ればいい奴なのに、と別れたことをちょっぴり悔やむ。私はわざと腕組みする。やり直す? 半年で、胸の辺りも随分成長したんだけれど。
夕立を避けた橋の下。元カノに偶然出会う。同じく傘を忘れたらしい。「私、下ネタ言うかな?」。唐突に彼女が呟く。高校で男子に「エロい」と言われたらしい。俺は聞いたことねえな。「ね? なぜだろう」と腕を組む。多分理由は別にある。交際中より成長したな。制服の、濡れた胸元あたりが悩ましい。
驚いた。どぎつい百合作品の漫画家は、若くて綺麗な女性だった。僕と同じでユニセックスな筆名だから、てっきり男と思っていた。「雑誌のパーティー、抜け出しましょう」と誘われる。好きなのは異性なんですね。「描くものとは別ですよ。先生もそうでしょ?」。いや僕は、作品も性的指向もBLなんです。
「女性だったんですか!」。雑誌主催のパーティーで、イケメンの漫画家に驚かれる。私はえっちな百合漫画を連載中だ。筆名も中性的で、よく男と間違われる。「経験豊富なんでしょうね」と囁かれた。試してみません? 作品の幅を広げたいんです。百合は自分の体に触れての妄想、異性は経験ありません。
ノーコピーライトガール・春さんの「髪の色を変えられるイラスト」、風鈴にしてみました🎐
スマホでのつくり方は春さんが元ツイにぶら下げて下さっています✨
私はスマホが不得手なのでPC&パワポでつくってみました(写真はフリー素材です)😇 https://t.co/UipPpOrDFx
「好きなんです。姉と別れて!」。恋人の妹が僕を呼び出し泣き叫ぶ。同じ大学生の恋人に、家に招かれ知り合った。就活で、恋人とは最近デートできてない。バイクでの帰り道、動揺し、角を曲がれず転倒した。遠のく意識に、さっきの叫びが蘇る。「姉と別れて! 愛してるんです、あなた以上に姉のこと」
真相を訊けなかった。彼が死んだ。誰かに呼ばれた帰り道、バイクの操作を過った。大学の同級生で交際1年。家にも何度か遊びにきた。最近微妙な距離を感じ、私は浮気を疑った。相手は一体誰だったのかな。「まさかこんなことに……」。それは何に対する後悔なの? 姉想いの妹が、通夜で涙を流してる。
席替え後の授業が終わり、彼女がため息ついている。彼を挟んで隣の席。「教科書お前に見せてもらったの、格好悪かったな」。私の席から机を離し、彼が囁く。中高一緒で気安い仲。彼女への片想いも聞かされた。私も深く息を吐く。彼女のため息、格好悪さが理由じゃないよ。私と同じ、鈍い君への絶望だ。
高校の席替えで、好きな人が隣になった。彼も何だか嬉しそうだ。ひょっとして、私に好意を抱いてくれてる? 甘やかな想像に胸がときめく。「ヤバい、教科書忘れた」。授業が始まり、彼が頭を掻いている。「見せて」と囁く彼をぼんやり眺めた。自惚れだったね。反対側の美少女に、彼が机を寄せている。
残業中、職場のビルの屋上に出る。夜は滅多に人がこない。少し離れたホテルが見える。たまには部屋で抱かれたい。「ホテルの出入り、見られたらヤバイだろ」。囁かれ、責めて泣いて突き放された。弾みで体が柵を越え、宙に舞う。これは報いだ。彼がいるのに不倫した。既婚者の係長の驚く顔が遠ざかる。