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「私を女と見てないんだよね? ならば絶対触れないで」。17歳の幼なじみが釘をさし、自室でバナナとアイスとミルクを舐める。昨日うちでエロ漫画を見られてしまった。まんま模倣の当てつけだ。真っ赤な顔で無理してやがる。もうやめろ。漫画は捨てる。僕だって限界だ。実はめっちゃお前を女と見てる。
身近に私がいるじゃない? 「お前を女と見てねえよ」。17歳の幼なじみが、私の部屋で鼻を鳴らす。昨日、彼の家でえっちな漫画を発見した。へえ、と呟き、台所から食べ物をとってくる。言った以上、指一本触れないでよね。恥じらいを捻じ伏せて、ヒロインみたくバナナとアイスとミルクを舐めてみせる。
熱烈に会社の上司に求愛された。指輪をかわし婚約する。半年後、高校の同窓会の葉書が届く。10年ぶりだ。幹事に訊くと、忘れられない同級男子も来るらしい。悟った上司に手をとられる。そうだね、私は道を決めたんだ。微笑んで、上司は私の指輪を外す。「行ってきな。嘘をつけない潔癖さに惚れていた」
「あの頃、実はいいなと思ってたのよ」。10年ぶりの同窓会で彼女が囁く。高校時代、学級委員の相方だった。美しくて潔癖で、憧れだった。片想いだと思い込み、僕は気持ちを伝えていない。「……抜け出す?」と手を握られる。頷きかけて、らしくないぞ、と切なく思う。左手の薬指に、白く指輪の丸い跡。
10年前の高校時代、母を亡くし孤独を抱えた彼と出会う。当時、私は奇病に侵され、死が刻々と迫ってた。古い祠の魔石が理由と2人で突き止め、封印する。劇的なひと夏が私と彼を結びつけた。平凡な日々の中、夫は私に興味を失くす。今や離婚を考えているらしい。深夜、独り祠に向かう。封印を解除する。
あの夏を思い出す。10年前の高校時代、陰キャな僕と彼女は出会った。孤独な彼女を蝕む奇病の理由が、古い祠の魔石と突き止め、手を携えて封印した。僕たちは惹かれ合い、結ばれる。お互いに成長した。世界は開かれ、仲間もできた。劇的な時は過ぎ、今や夫婦の間に言葉もない。明日僕は離婚を切り出す。
「もう還暦だから」とママが躊躇う。私は看護大を卒業し、明日実家を離れる。食べていける資格を取った。パパが働きづめだったのは、妻子のためだと理解してる。でも私には、ママが家に縛られてると感じられた。育児は終了、自由に生きなよ。久々の同窓会で出会った元カレ、奥さん亡くしてたんだよね?
一人娘が就職し、家を出ていく。手に職と、看護大で学んでいた。娘が妻に宿ったのは、バブルが弾けたしばらく後だ。主婦の妻が家庭を担い、俺は必死で働いた。もう学費はいらない。生活費もだいぶ減る。「定年したら自由に暮らそうね」。妻が微笑む。そうだな。久々に新婚旅行で巡った街でも訪ねるか。
嫁が娘を出産した。俺も彼女も親に歯向かい、高卒後、駆け落ちみたいに結婚した。握れば壊れてしまいそうだけど、娘は必死に声をあげ、生きてるよ、と訴える。俺は泣いた。小さな命を絶対守る。厳しかった両親には、もっと心配かけたに違いない。父親になれるまで育てくれた。未熟児だった俺のことを。
何度か痛みで気が遠のく。ベッドの私を夫と母が見つめてた。厳しい母に反発し、思春期以降ほとんど口をきいてない。最後の力を振り絞る。「ほら元気な女の子です」。助産師が小さな命をとりあげた。私は泣いた。痛みと感動、責任感。私もこうして産まれたんだね。ママになり、母の思いに気づかされる。