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高校帰りの駅前で「また明日」と彼が言う。私は無言で微笑んだ。彼はこのあとお茶しに行くのだ。気づいているよ、部の後輩女子に好かれた君が、まんざらでもないと感じてること。また私だけを見てほしい。作り笑顔で2か月待った。限界だ。もう2人に明日はない。ホームから、私はふわりと飛び降りる。
また明日。高校帰り、微笑む彼女に声をかけ、駅で別れた。それから部の後輩女子とお茶をする。後輩は僕が好きなのだ。後ろめたさを感じつつ、悪い気はしなかった。あれから3日。当たり前には明日は来ず、もう不実も謝れない。彼女の笑顔を見るのが苦しい。ホームから転落し、還らぬ彼女の遺影が滲む。
夏服への衣替え。寒いかな、と一瞬迷い、けれどインナーなしでセーラー服を身に纏う。高校への通学路、クラスの男子の肩を叩き、おはよ、と言って追い抜いた。奥手な君を振り向かせたい。背中を意識してくれたかな……。恋愛初心者だから、私にとっては大冒険。今日、ブラを白からピンクに替えてみた。
「おはよ!」と肩を叩き、クラスの女子が僕を追い抜く。高校の通学路。奥手な自分を変えたくて、勇気を奮い、声かけようと彼女の後ろに歩み寄る。あ……彼氏できたのか……。差し伸べた手を引っ込めて俯いた。制服のシャツに透けた下着が、白からピンクに替わってる。6月1日、今日から僕らは衣替え。
同窓会で15年ぶりに彼女と会う。僕と同じ独身だった。高校時代の高嶺の花。当時告って拒まれた。ほろ苦くも美しい記憶の中に彼女がいる。再会し、想いを伝え、その夜ホテルで結ばれた。淫らに何度も求められ、僕は悔やむ。高嶺の花は詰んだらいけない。青春時代に抱けなかった理想の女子が、色褪せる。
私と彼だけ独身だった。高校の同窓会。当時モテてた私は、彼に告られ袖にした。一人に縛られたくなかったからだ。「まだ好きだ」と囁かれ、その夜ホテルで結ばれる。三十路を超え、女として色褪せた。好意も行為も久々だ。今さら気づく。必要なのは、変わる私を変わらず愛してくれるただ一人の存在だ。
初デートの日に寝坊した。僕は青ざめ黒電話の受話器を握る。いや彼女はもう出たはずだ。何より家にかける勇気がない。高校の同級生を拝み倒して交際した。振られないか不安が募る。持ち運べる電話機を一人一台。来るわけないか、そんな未来。SFみたいな妄想を自嘲して、待ち合わせ場所へと駆けていく。
彼がデートに遅刻した。不安でLINEを送るが未読スルー。少し遅れて現れて、寝坊したと詫びられた。「許してあげなよ」とママが笑う。「私の高校時代はスマホがなく、パパに2時間待たされた」。多分、繋がれないから諦めて、待てたんだ。今は常に繋がれる。だからこそ、短時間の音信不通に不安が募る。
「普段はダメでもいざって時に告ってくれる男子が理想」。高2の幼なじみが自室で瞳を輝かせてる。少女漫画か。リアルにはそんなヤツも『いざ』もねえぞ。「あんたはただのダメ男だもんね」。そこで会話が途切れ、彼女が肩にもたれてきた。な、何だよ。「……あのさ、こういうのが『いざ』なんだけど」
「俺もラブコメしてえ」。幼なじみの17歳が私の部屋で漫画片手に悶えてる。中二病だ。ラッキースケベやダメ男に一途な女子などフィクションだって。「夢壊すな」。怒った彼に押し倒され、弾みで胸のボタンが一つ外れた。「ほら実在」。死んでしまえと呪詛を吐き、一途な方はバレてないかと冷や汗かく。