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色白で痩せた少女が笑ってる。「卒アルのその写真? 高校の文化祭で準ミス貰った時のやつ」。うわ、私よりも全然綺麗じゃない。「それから男子にモテまくり、3年かけて鍛えたんだ」。それで筋肉ついて日焼けしてるんだ。百合好きの腐女子としてはちょっと惜しい。彼の昔の女装写真によだれが垂れる。
パパとママが離婚した。2人はいつも喧嘩してた。不安で何度も大泣きした。今、小5の私はママと一緒に暮らしてる。「ごめんね、あなたのことで喧嘩ばかりしちゃってた」。ママが私を抱き締める。私が理由で大好きな2人は別れてしまった。喧嘩では、もう不安にならない。代わりに静かに消えたくなる。
小5の娘が静かに家の外を眺めてる。ホッとした。出産後、優しかった夫は変わった。口喧嘩が途絶えずに、娘は不安定になっていく。子どものために、と離婚を躊躇い、修復の道を探り続けた。でも結局、溝は埋まらない。勇気を奮い別れてよかった。娘をぎゅっと抱き締める。なぜか小さな頬が濡れていた。
「ノックしなよ!」と叱られる。17歳の幼なじみの部屋に遊びに行った。慌てて何かを隠してる。何だ、見せろよ。取り上げると同人誌。美形の男同士が絡んでる。で、どっちが好きなんだ? 「……攻め」。お前、Sなんだ。「……いやM寄り」。だったら何で? 「……その攻め役、あんたと同じ名前なの❤」
幼なじみの男子の部屋で、えっちな漫画を発見した。最低だ。自分も17歳だってのに、制服モノが好きなのね。腐れ縁の男女が両片想いって、中二病の妄想じゃない。……あれ、この制服、私のと似てる。ヒロインも私と同名だ。彼は焦って漫画を取り上げ「何考えてんだ!」。素直になればいいのにな、って❤
「憑いてるの?」と彼が驚く。元カノの最期の言葉を私は言った。誘われた合コンで、1年前に彼と出会い交際した。元カノの話は聞いてない。憑かれているわけでもない。一度だけ会ってるんだ。事故で死に際「先に進め」と彼に告げた。強く優しいあの人と、愛する相手に憧れた。私、あの日の看護師だよ。
合コンの人数合わせで彼女と出会い、告られた。学生時代の元カノと、3年暮らしたこの部屋で、今カノと同棲してる。後ろめたい。「先に進めと言ったよね?」。そう呟く今カノが、元カノと重なり見える。なぜ知ってるんだ。今カノには伝えてない。元カノが最期に同じ台詞を言ったこと、事故死したこと。
「じゃあな」と幼なじみが踵を返す。傘を忘れた私のことを、高校から家まで送ってくれた。相合傘は気まずかったけど、濡れずに感謝だ。少しはいいとこあるじゃない。彼の背を見て驚いた。びっしょりだ。小さな傘を目一杯、私にさしかけてくれたんだ。……何だよ。あんた、かなりいいとこあるじゃんか。
高校の昇降口でセーラー服の幼なじみが立っていた。また傘を忘れたらしい。入ってけよ。「濡れて帰る。誤解されるの嫌だもん」と舌を出す。いいから行くぞ。並んで歩くと誰かの冷やかす声がした。「ほら。あんたは抵抗ないの?」。あるけれど、濡れて透けた制服を、ほかの男に見られる方がずっと嫌だ。
「やり直そう」と別れた夫に囁かれる。久々に馴染みのバーで再会した。若かった私たちの結婚は、7年前に2年で終わった。彼は互いの多忙が理由と感じている。変わらないね。もっと私を見てほしかったんだよ。あれからいろいろ経験した。気づかない? 今夜、私はノンアルだよ。お腹も少し、膨れてる。