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「『巨乳ロリに恋してる』? うわ引くわ」。年子の姉にちょいエロ漫画を見咎められる。俺の部屋に勝手に入るな! 「何が理由よ、その拗らせた中二病?」。放っておけ。心で反論するけれど、姉貴こそ高2なのに中二じゃねえか。俺はシスコン気味なんだ。胸は成長しているくせに、その童顔は反則だろ。
彼女が泣いてる。高校の男子の通夜。悲しいけど諦めよう、と同級生の私は諭す。「無理だよ。好きだと囁きキスしてくれたんだ」。知ってる。4日前、放課後の踊り場で見てしまった。一昨日、だから彼を呼びだした。「あの子は遊び。半年前から秘密で寝てるお前が本命」。笑う彼を歩道橋から突き落とす。
「悲しいけど諦めよう」。高校のセーラー服の親友が、私の肩をそっと抱く。無理だよ、だって好きだと囁き、キスしてくれたんだよ……。目の前で彼が静かに微笑んでる。もう一度キスしようと身を屈め、親友と周囲に止められた。一昨日、事故で歩道橋から転落した。彼の通夜で私は正気を失い泣き続ける。
12月、推薦で大学に合格し、SNSを解禁した。「おめでとう。ボクって言うから男の子かと思ってた」。同じ高3女子に祝われる。互いに匿名。春に封印するまでよく絡んでた。「好きだった」。過去形で呟く彼女に天を仰ぐ。淡く願い、女子大の合格通知で匂わせた。伝わらないね。ボクが好きなの君なんだ。
「推薦で合格目指す!」。春に呟き、SNSは沈黙した。同じ高3だったんだ、と私は驚く。アカウントは互いに匿名。男っぽく、絡むうちに惹かれてた。年明け、私も短大受験する。SNSを封印しようと思ったその夜、「サクラサク」と呟かれた。写真の合格通知に息を飲む。彼じゃないんだ。女子大に進むんだ。
受験を控え、来月から自由登校だ。「随分偏差値のびたよね。合格間違いなしだ」。高校の英語教師が僕に微笑む。職員室でノートを開き、構文を質問した。「教えてあげるね」。七つ上の色香が漂う。必死で英語を学んだ理由、わかりませんか。卒業したら、教科以外も教えて下さい。恋も合格したいんです。
教室で彼を見られるのもあとひと月。年明け、高3は自由登校になる。英語は模試でも全国上位。きっと受験は平気だろう。卒業すれば離れ離れだ。彼には無限の未来がある。これでいい。恋慕は女心に封印しよう。放課後、彼に呼び止められる。「この構文わからなくて」。七つ下の教え子が、ノートを開く。
大学近くのコンビニで、恋人未満の同級男子と鉢合わせる。ともに上京組。よく家でお酒を飲み、酔って一度キスをした。レジの彼は黙ってバーコードを読んでいる。気まずい思いで店を出て、でもこれで、覚悟が伝わったかなとも考える。少し先のクリスマス、また家に彼を招こう。買った小箱を握り締める。
深夜、大学近くのコンビニで息を飲む。レジの客は腐れ縁の女友達だ。僕も彼女も恋人なしの一人暮らし。よく宅飲みし、酔って一度口づけた。気まずそうに会計し、彼女は店を後にする。内緒のバイトは告って贈り物を渡すため。でも間近の聖夜、シフトを入れよう。できたんだ、その小箱の中身を使う相手。
女子高で告られ断った。文武と容姿に優れた同級生。帰宅し、自室で抱きつかれる。震える背中をさすりながら、迂闊さを後悔した。部屋に飾った同級生の写真を見られてしまった。「いつか恋心が届くかな……」。大丈夫。私は恋慕を我慢した。私を溺愛しつつ、同級生にも一目ぼれした、妹のあなたのため。