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女子高の同級生に告白した。「ごめん」と詫びられ涙ぐむ。何でかな。私は綺麗だ。勉強も運動も学年上位。今どき間違ってると思うけど、やっぱり同性だからだね……。数日後、街で地味な少女に腕を組まれる彼女を見る。そこで私は気がついた。同性は理由じゃないんだね。拒まれたのは驕った私の心根だ。
「好きだった人、先輩と同級生の兄じゃない」と彼女が呟く。高1で一つ下。俺はやけになっていて、容姿で選び告白した。予想外に頷かれ、交際したが噛み合わない。この子も片想いを引きずってるのか。禁断の兄を否定しながら誰かは言わない。俺も秘密だ。彼女によく似た高3の、姉に心を残してること。
「俺の前に誰好きだった?」。高2の彼に尋ねられる。兄と同じ一つ上。絶対内緒、と答えない。「兄貴とか?」。もういいじゃん。断ち切って、先輩と交際したんだ。「頑なだから禁断なのかと気になって……」。兄じゃないから安心して。私はどっちもいけるんだ。片想いしていたの、二つ上のお姉ちゃん。
独身の妹が、集中治療室に駆けつけた。夫と並び、涙ぐんで私を見ている。その時、ようやく気がついた。もうずっと、妹が好きなのは「お兄ちゃん」だったんだ。車に跳ねられ、恐らく私は助からない。ごめんね、姉なのに、本当に鈍くって。死後、あなたに彼を託します。妹は私と年子、愛する夫は三つ下。
5年前三つ上の妻が事故で死に、今度は親が相次ぎ病死した。「これで私とお兄ちゃんの2人きりか」。呟いた妹を、その夜初めて僕は抱く。「吹っ切ってくれたんだ」。お互いに親はなく、心配させない。何より散々待たせてしまった。「いいの、また年上で?」。涙ぐむ妻の年子の妹に、僕は黙って頷いた。
クリスマス、マジで亜空間が現れた。「木刀を私の愛で剣に変え、来襲する侵略者と戦うんでしょ?」と同じ中2の女子が言う。……いや、お前の気を引きたくて、適当言った。「ったく、中二病ね」。呆れた彼女が俺の頬にキスをする。木刀が光を放ち剣になった。え!? 「戦うよ。私、実は魔法少女なんだ」
「亜空間の扉が開く」と中2男子が言い出した。クリスマス、侵略者が来るらしい。「中二病? 馬鹿言え、マジだ」と木刀を磨いてる。へえ、そんなんで戦えるの? 「魔法で賢者の剣に変わるんだ」。はいはい。で、何きっかけなのよ? そこで彼は俯いて、セーラー服の私に呟く。「……好きな子の、愛」
3日も彼の部屋で過ごしてる。抱き合い、寝落ちし、ピザを食べ、また抱き合う。大学の就活説明会も休んでしまった。「幸せはモノやカネじゃないんだな」と囁かれ、彼の胸で涙ぐむ。大好きだ。でも私は溺れる前に彼から離れる。ままごとを終わらせる。いつかこの手で、親がかりじゃない幸福を掴みたい。
終わってそのまま微睡んで、目覚めて彼女とピザをとり、食後に再びキスをする。「もう……。今日、大学の就活説明会だよ」。半裸の彼女は薄く笑い、それでも僕を受け入れて、切なく果てた。ワンルームには何もなく、お金もない。瞳の潤んだ愛する彼女を抱きしめる。幸せはモノでもカネでもないと知る。
高校時代、何度も告られ頷いた。「本当は私が好きだったんでしょ?」。結婚直前、笑われる。だからこそ、運命を変えられないかと拒んでた。10年前、俺には「力」があった。好きな相手の思いが見える。花に包まれ微笑む彼女。あの時お前が見ていた俺の視点、挙式じゃなく、前夜に事故ったお前の通夜だ。