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絵葉書の元カノが笑ってる。文字はない。高校から交際し、最後の4年は同棲した。1年前、結婚をほのめかされ、かわした翌日どこかへ消えた。リップを引いたドレス姿。隣には燕尾服の背が写る。思い出したよ、君がどれほど好きでいてくれたか。あの日と同じ桜色のリップが「切ない」の符牒ってことも。
10月3日に全40話+エピローグの投稿を終えた長編『ぼくと初音の夏休み』の宣伝です😇
まかろんKさん(https://t.co/tOfmk8Xb18)のフリイラを使わせていただき、ラノベの表紙をまねてみました。中身は爽やかじゃないのに……😂
何度かノベプラで1位いただいたのは本当です😆
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リップを引き、家族になろう、と言ってみる。「交際8年、同棲4年。結婚しても変わらないよ」と彼が笑う。そうだよね、と笑みを返し、毛布をかぶり涙ぐむ。もう伝わらないや、私の想いもリップの意味も。明日そっと家を出よう。久々に引いたのは桜色。高校時代に伝えたよ。「切ない」のサインだって。
夜、隣の組の男の子に裏庭へと誘われた。高校の修学旅行で泊まった旅館。告られかけ、断ろうと思った矢先、男女の両担任に見つかった。叱られて、涙目で部屋へ戻る道、「あの2人独身だよな。若いし交際してるのかな」と彼が囁く。多分そうだ。だから私は君に頷くよ。片想いの男性教諭を忘れるために。
夜、裏庭に隣のクラスの女子を誘う。修学旅行で泊まった旅館。いい雰囲気になったところで両担任に見つかった。「高校に戻って告りなさい」。僕は女性教師に怒られる。「簡単に誘われない!」と彼女は男性教師に叱られ涙目だ。すいません……。でも先生、なぜこんなとこまで2人で見回り来たんですか?
夫が死んだ。高卒後、家を出た娘が通夜に来る。「アル中ですぐ怒鳴り、育児はしない。私はお母さんだけ血縁だと思ってる」。昔は優しく、誰より娘の誕生を喜んだ。夫を庇う私のことを、悲し気に娘が見ている。私には慰められる資格はない。あの人が変わったの、娘が私の不倫相手の子だと知ってからだ。
アル中の父が死んだ。最低の父だった。母を罵倒し、育児は放棄。高卒後、私は家から逃げ出して先輩の家に転がり込んだ。気づくとお腹が大きくなり、入籍した。父の死に涙する母を見て、ぼんやり思う。やっぱり私は母の血を引いている。「ママ帰ろう。また酔ったパパに怒鳴られる」。幼い娘が手を握る。
自室のベッドではだけた胸に耳を当てた。「先生、心音聴くなら聴診器でしょ!」とナースの彼女が照れている。勤務先で知り合って、誰にも言わず交際半年。気になるんだよ、と呟くと、彼女は呆れて「職業病です」。僕は作り笑顔で涙を隠す。半月前、健診で見つかった。難しいお前の心疾患を、必ず治す。
「じゃ胸の音を聴くからね」と彼のベッドで囁かれる。こら、聴診器じゃなく直じゃない! 「ちょっと鼓動が速いかな」。……そりゃ、この状況ならそうなるよ。「さすろうか? 早くよくなるように」。そっちこそかなり重度の病気です! 「うん、どんな?」。ナース仲間にバラしますよ、先生の職業病。
自室に招くと、彼に優しくキスされた。17歳の同級生で交際1年。まだ互いに未経験だ。胸元に触れた手が、制服のボタンを外していく。いや……と小さく囁くと「僕だけだよね、進みたいの」と詫びられた。抱いて髪を撫でられて、瞳が潤む。いやだけど、いやじゃないんだ。あるんだよ、女の子にも欲望が。