掌編小説（140字）＠単行本『ぼくと初音の夏休み』『ごめん。私、頑張れなかった。』発売さんのイラストまとめ

同じ高２の彼女の部屋に招かれる。交際１年。キスをして、服の上から胸に触れ、拒まれない。ボタンを三つ外したところで「……いや」と囁かれた。ごめん、と詫びて抱き締める。僕だけ気持ちが進みすぎた。恥ずかしそうに頬を染め、潤んだ瞳で見上げられる。大事にするよと髪を撫で、もう一度口づける。

娘と出かけた遊園地でテレビカメラが回ってた。夕方の番組の中継らしい。元カレを思い出す。彼はテレビ局に就職した。子どもをほしがり、キャリアを積みたい私とぶつかる。10年前に別れた後、夫と出会い娘ができた。主婦の今も幸せだけど、仕事に少し未練もある。元カレはどんな番組を作ってるのかな。

３連休なのでPRです😋　10月３日のノベプラ完結後、９日には以下のような順位に😂　それでもお読みいただき感謝です🙏　
『ぼくと初音の夏休み』全40話＋エピローグ（https://t.co/oBi5GRIExx）

総合:日間736位 / 週間47位 / 月間21位 / 年間136位
ジャンル:日間64位 / 週間1位 / 月間1位 / 年間7位

夕方のテレビが遊園地を中継してる。人込みに懐かしい顔を見た。25歳で別れた元カノだ。僕は子どもがほしく、彼女はキャリアを求め、すれ違う。あれから10年。激務で僕は体を壊し、働けない。元カノは幼い娘と笑ってた。良かったな、とテレビを消して立ち上がる。もう働く妻と息子の食事を作る時間だ。

幼い頃はパパと結婚する、とまとわりついた。思春期を迎え、急に嫌悪を抱いてしまい、一時は口もきけずにいた。就職し、年上と恋に落ちる。「いつでも戻ってきていいぞ」。バージンロードでパパが泣く。ごめん、ずっとパパを大好きだった。外見も性格も、パパによく似た新郎に、祭壇前で引き継がれる。

ノベプラ投稿を終えた10月３日以降、順位は落ち続けていますが、連休に読んで下さる方もいらっしゃり、嬉しいです🙏
『ぼくと初音の夏休み』全40話＋エピローグ（https://t.co/oBi5GRJcn5）😇

総合：日間775位 / 週間42位 / 月間11位 / 年間136位
ジャンル：日間81位 / 週間1位 / 月間1位 / 年間7位

並んだ新婦は美しい。横顔を眺めつつ、思い出が溢れてくる。最初の頃はべったりだった。手を繋ぎ、どこにでも一緒に行った。やがて深い溝ができ、しばらく口もきけずにいた。ようやく会話が戻ったところで、思わぬ話を告げられる。「また涙目だ」。新婦が笑い、腕を組む。バージンロードへの扉が開く。

「似合ってる」と17歳の娘が笑う。ご注文は、と私は返した。夫と別れ、高校以来マックの制服に身を包む。娘の隣は彼氏かな。面影が元カレに重なった。別れる前の元カレは、よくバイト先にやってきた。注文時、毎回口にしていた台詞は何だっけ。娘の彼の一言で思い出す。ああそうだ。「ピクルス抜きで」

彼に秋祭りへと誘われた。高１から同じクラスの腐れ縁。「え、浴衣？」と彼が驚く。普段は女扱いしてくれないけど、私は案外女子力あるんだよ。「中学時代は爆モテしたから、浴衣なんかに萌えねえよ」。笑った彼が「お前こそ不慣れだろ。右前だぜ」。ほーん。やっぱ見栄か。浴衣はね、女子も右前なの。

高校の同級生が彼に告って拒まれた。彼女の想いに気づいて以来、距離を縮めた。親友になれば言葉が届き、話に説得力が増すと思った。彼女への「彼は貴女に向いてない」との私の助言は聞き流される。それは失敗したけれど、目的は達成だ。偽りの彼女の悪評は信じてもらえた。親友になった片想いの彼に。