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「我必ずしも聖にあらず。彼必ずしも愚にあらず。ともにこれ凡夫なるのみ」
聖徳太子(厩戸王)が制定したとされる十七条憲法にある言葉。人はみな煩悩に苦しむ凡夫である。聖徳太子の深い仏教理解がうかがわれるとともに、凡夫としての平等という人間観が表れています。
#一日一倫理
「一切衆生悉有仏性」
平安初期にに天台宗を伝えた最澄が重んじた、『涅槃経』にある言葉。すべての生きとし生ける者には、仏となり得る素質が備わっている。最澄は、素質に違いがあるとする奈良仏教を批判し、仏の教えの本質は一つであると主張しました(法華一乗)。
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「ただ生きるということではなく、善く生きるということ」
プラトンの対話篇『クリトン』に記された、ソクラテスの言葉。ソクラテスは、自らの死刑執行を前にして、魂(プシュケー)に徳(アレテー)を備えた善き生き方の大切さを、友人であるクリトンに語りました。
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「上善なるは水のごとし」
『老子』にある言葉。老子を祖とする道家は、道(タオ)を万物の根源とみなし、道の働きにしたがって何もいなければ(無為)、おのずから上手くいく(自然)と説きました。高きところから低きところへ逆らわず流れる水は、無為自然の象徴と言えます。
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「己に克ちて礼に復るを仁となす」
『論語』にある孔子の言葉。孔子を祖とする儒家の教えの根幹にあるのが、他人を大切に思う気持ちである仁ですが、その仁が言動となって現れたのが礼です。内面では私利私欲を抑え、外面では礼を弁える(復礼)ことで、仁は完成します。
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「先も立ち、われも立つ」
江戸時代に石門心学と呼ばれる商業道徳を説いた石田梅岩の言葉。相手を立て、相手を活かすことによって自らも身を立てることができる。欺くような小賢しい手段で利益を得るのではなく、正直(せいちょく)であることを上方町人に説きました。
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「人間は万物の尺度である」
古代ギリシアのアテネで活躍した代表的なソフィストであるプロタゴラスの言葉。物の見方は人によって異なるので、絶対的な真理などないとプロタゴラスでした。こうした相対主義を乗りこえ、魂がそなえるべき徳(アレテー)を探究したのがソクラテスでした。
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「自己の個性の発展を仕遂げようと思うならば、同時に他人の個性も尊重しなければならない」
夏目漱石が『私の個人主義』で述べた言葉。漱石は、他人本位から己のの内面的欲求に従う自己本位への転換を求めましたが、それは他人を否定するエゴイズムではけっしてありませんでした。
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