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そのとき突然、少し強めの風が六人の冒険者一行の後ろから吹き抜けた
「ん?」
デインは背後に何か違和感を覚えて後ろを振り向く
「その子、誰ですか?」
「オレも、知らないんだが……」
そこには、カータと同じくらいの背丈の女の子が立っていた
#カドルステイト物語 3巻 第一章 ファナー祭 2節
「かーっ、マーヤお姉ちゃんか。やっぱり来てたのかい」
その時、恰幅のいい男性の老人が少女に声を掛けてきた
「しーっ。あなたも雑芥が目的なら、静かにして」
「いいだろう、今は協力しよう。でもわしはライバルだからな? 雑芥は先に頂くぞ」
#テロメニア魔導記 1巻 第一章 落陽と囚われの月 2節
ランカートは、最早レミアを自分には止めることが出来ないことを悟り始めていた。レミアはもう既に、その足を城のある方向へと向け始めていたからだ
「おねぇちゃん、ちょっと待ってよ」
ランカートが後ろから呼び止める
「僕も、一緒についていってもいい?」
#レミアの翼 第三章 親愛の情の囁き 1節
「おじいさま、行って参ります!」
レミアはとびきりの笑顔で老人に応え、その鏡の中へと吸い込まれていった。老人にはその笑顔が、万物を照らし出す太陽よりも、遥かに眩しく輝いて見えるのだった
#レミアの翼 プロローグ
「今のわたしが、人からなんて呼ばれているか知ってる?」
レーナが発した最後の言葉が何と言ったのか、ティルファンにはよく聞き取れなかった。しかし、ここに居合わせた数人のネボの村人達は聞いていた
「血啜りの魔女よ」
#カドルステイト物語 2巻 第三章 黒いコートの男 7節
なまりの強い地方でその国の言葉を覚えた者は、同じなまりを自然に身に付けてしまうという。ルーナリアもその例に漏れず、カルディアナの喋り方でカスタリア語を覚えてしまったようだ
#カルディアナ戦記 2巻 第四章 天翔る大河を越えて 1節
現れたのは、いかにも魔導師を思わせる人物だった。白いフードを深くかぶり、ゆったりとしたローブに身を包んでいるが、暗くてその表情までは分からない。発せられた声も中性的で、性別さえも不明だった
「これは酷い。要治療……緊急性、有り」
#テロメニア魔導記 1巻 第一章 落陽と囚われの月 1節
フィルヤールは突撃を中断すると、カルディアナに問い詰める。皇軍の司令官は高い声質ではあるが、今のは明らかに違和感があった。男装していたルーナリアは、それを気付かれないよう心掛けてきたが、反響した声は誰が聞いてもそれと分かる女の声だった
#カルディアナ戦記 2巻 第六章 審判の時 5節
暗くて色はよく見えない。だがその姿は明らかに異形だった
まず何といっても大きさが普通ではない。天馬の倍はあろうかという巨躯に、皮膜つきの禍々しい翼。そしてその頭部と思しき箇所には、三つの首が不自然に生えていた
#テロメニア魔導記 1巻 第一章 落陽と囚われの月 1節
こんな場所から上を見上げたところで、何かが見えるはずがない。星はおろか、月も、そして太陽でさえ、マーヤは一度も見たことがないのだ。
それでもマーヤは確かに感じていた。この暗い峡谷の底で、いま何かが始まろうとしていることを
#テロメニア魔導記 1巻 プロローグ